育毛剤選びのポイントになる成分の効果・効能の分類とは
育毛剤の効果を発揮できているかは、育毛剤に含まれている成分と薄毛の原因とがマッチしているかが重要だ。
ここでは、育毛剤に含まれる成分の働きを9つに分け、薄毛との関連性について説明しよう。
1.男性ホルモン抑制作用
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、体の健康維持や筋肉などの生成、発毛促進にも影響しており、テストステロンそのものが薄毛の原因ではない。
しかし、テストステロンが5αリダクターゼという還元酵素と反応すると、毛母細胞や毛乳頭の働きを阻害する5α-DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンが生成され薄毛の原因となる。
そのため、多くの育毛剤に5αリダクターゼを抑制する成分が含まれている。
男性ホルモン抑制作用を持つ育毛剤の成分
2.血行促進作用
髪の毛が成長することは、毛母細胞が細胞分裂をするということ。
細胞分裂に必要な栄養や酸素は、頭皮の毛細血管から毛乳頭を通して運ばれているのだが、頭皮の血行が悪くなると頭皮の栄養や酸素の供給が滞るため、細胞分裂ができなくなる。
そのため、血行促進につながる成分が多くの育毛剤に含まれている。
血行促進作用を持つ育毛剤の成分
3.毛母細胞活性作用
毛母細胞自体を活性化し細胞分裂を促進する、あるいは毛母細胞に栄養や酸素を運ぶ毛乳頭を活性化するような種類の成分のこと。
毛母細胞・毛乳頭活性作用を持つ育毛剤の成分
4.頭皮の代謝活性化
毛母細胞に栄養や酸素を送る毛乳頭への栄養や酸素は、頭皮から供給されている。 頭皮の代謝が衰えることで、この供給が滞り、毛乳頭や毛母細胞の働きの低下を招く。
こうしたことを防ぐために育毛剤に含まれている成分の分類で、フケ等の防止にもつながる場合が多い。
フケに注意。頭皮代謝の活性化作用を持つ育毛剤の成分
5.抗炎症作用
抗炎症作用も、毛乳頭を通して毛母細胞に栄養や酸素を供給する頭皮を整えるための作用。
炎症を伴うかゆみや湿疹の発生で、手でかく・シャンプーで悪化させるなどで、頭皮環境の悪化につながるため、炎症をおさえる成分が多くの育毛剤に含まれている。
6.皮脂過剰分泌予防
皮脂は頭皮を細菌やチリなどから保護するという重要な役割があるが、過剰に分泌されると毛穴が詰まるなど、かえって頭皮環境を乱してしまう。
洗髪などで洗い流しても、皮脂分泌量自体が多いと根本的な改善にならないため、皮脂分泌をコントロールするような成分が多くの育毛剤に含まれている。
7.頭皮の保湿効果
頭皮は乾燥などの刺激に弱く、乾燥が原因で炎症を起こしたり、頭皮が硬くなったりすることも多い。
そのことで毛母細胞や毛乳頭に悪影響を与え、薄毛につながってしまうため、保湿効果のある成分が多くの育毛剤に利用されている。
8.抗菌・殺菌作用
人間の皮膚には、非常に多くの菌が住み着いており、そういった菌は常在菌と言われている。
頭皮にもそういった常在菌が数多くいるが、抜け毛や薄毛の頭皮には雑菌が繁殖していることも多いため、多くの育毛剤に抗菌・殺菌効果のある成分が含まれている。
9.抗酸化成分を持つ育毛剤の成分
酸化とは、体内で酸素を利用する際に細胞内で発生する活性酸素が、健康な細胞を攻撃し老化させる現象のこと。
頭皮は、通常の皮膚に比べて皮脂などが多く酸化しやすい。酸化が起こると毛乳頭や毛母細胞の働きが鈍くなってしまうため、活性酸素の分解や抑制につながる成分が利用されてる。
育毛剤のその他の成分
育毛剤の成分の中で、9つの区分に当てはまらない成分、育毛には直接関わらない成分として、育毛剤の保存やテクスチャー(さわり心地や付け心地、使用感のこと)に関わる成分がある。
基本的には育毛の邪魔にならないような成分であるが、人によってアレルギーにつながってしまうこともあるため注意が必要になる。
一口に育毛剤の成分といっても、様々な効果・効能を持つ成分があり、どれに重点を置いているのかは育毛剤によってまったく異なる。
自分自身の薄毛の原因と合わせて、成分の種類と育毛剤の特徴を知ることが、非常に重要だと言えるだろう。